質問
心不全ではなくても手足が冷たい方がいますが、心不全の方との見分け方を教えてください。
回答
手足が冷たく、心不全との見分けがつかない場合は前腕を触れて判断しましょう。
冷え性の人では、手足の末梢は冷たくても前腕は温かく、心不全の人では、手足の末梢に加えて前腕も冷たい傾向があります。心不全では心臓のポンプ機能が低下して全身の血流が低下するので、身体の末梢部分まで十分に血流が行き届きません。そのため、手足の末端だけでなく、前腕まで冷たさがみられることがあります。
一方で冷え性の場合は、さまざまな要因によって手足の毛細血管が収縮することで、手足の末梢の冷たさがみられる状態です。手足の冷えがみられる要因としては、気温が低くなる冬場やクーラーで冷えた室内の環境、加齢や運動不足で筋肉量や基礎代謝が低下している場合、睡眠不足などでストレスがかかって自律神経のバランスが崩れている場合、衣類の締め付けなどが挙げられます。
前腕の温かさは、心不全かどうかを見分けるひとつの指標とはなりますが、心不全であっても前腕の冷たさがみられない場合もあるので、これだけで判断するのは危険です。
呼吸状態や足のむくみ、夜間の咳、胸部不快感、急激な体重増加、顔面蒼白、冷や汗、倦怠感、唇のチアノーゼなどの症状や、検査結果もあわせて確認して判断することが重要です。
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