日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

日本離床学会とは

日本離床学会は、「ねたきりゼロ」を目指して、離床に関する情報発信・教育活動・研究活動を行う団体です。離床というコンセプトが誰でも知るところとなり、患者さん自らが率先して起きてくれる文化を築きたい。これが学会の願いです。

臨床を元気に!

私たち医療従事者にとって最高の喜びとは何でしょうか。それは患者さんの笑顔を見ることかもしれません。患者さんが病気から回復し、起きて元気に帰っていく。その時の最高の笑顔を見て、私たちも「また頑張ろう」と思うとこができます。日本離床学会は、そんな笑顔が見たくて一生懸命頑張っている人が、集う場所でありたいと考えています。学術集会に出席しても、教育セミナーに顔を出してみても、そこに行けば同じ想いを持った人に会える、そんな学会です。医療従事者が元気になれれば、患者さんも元気になれるはず。「臨床を元気に!」をモットーに、日本離床学会は皆さんと共に歩んでいきます。

みんなで創る学会

日本離床学会は「全員が主役」です。通常、学会の審議は、理事や評議員により進められますが、本学会の審議は、会員全員によって進められます。理事・評議員は、討議すべき学術事項の提案と、議事の進行サポートを行います。インターネットを活用した会員公開討議では、会員全員が発言することができます。すべての会員の皆さんと共に創り上げていく、日本離床学会はそんな学会です。

日本離床学会パンフレットはこちら

会長挨拶

離床は、臥床を強いられた患者さんのADL(日常生活動作)をいち早く再獲得する有用な手段です。早く起こすことの重要性は年々理解が深まり、ここ数年で飛躍的に認識されてきた感があります。その反面、「早く起こせば良くなる」といった迷信的な根拠からむやみに離床させ、かえって状態を悪化させてしまうケースも散見されます。急性期における離床は行うべき時期を適格に見極めなければ悪影響を及ぼす危険もあり、しっかりとした評価をもとに行動する必要があるのです。
日本離床学会は安全な離床とは何かを真摯に考え、適切な時期に離床を実行できる臨床家の育成を目指します。また、豊富な人脈を活かして多施設間研究を実現し、離床を含めた生命科学の謎に挑みます。
日々進歩する医療にあって情報の発信基地でありたい・・そんな想いと、ひたむきな情熱をもって、日本離床学会は“前へ”歩み続けます。どうか我々の活動にお力添えをいただき、離床の普及活動にご支援いただけますよう、お願い申し上げます。

日本離床学会 会長  医学博士 曷川 元 

成長し続ける学会規模

当会は、2012年より会員登録制度をスタートしました。2019年現在、4500名超の会員数が登録し、世界最大規模の離床の学術団体に成長しました。学会員には、最新の学術情報が掲載された学術誌が進呈されるほか、教育動画の閲覧、教育講座受講料の割引など、離床の知識・技術を習得しやすい環境が提供されます。詳しくはこちらをご覧ください。

広がりをみせる離床の概念

歴史的に見ると、離床は1940年代から外科術後の領域で盛んに行われるようになり、術後合併症を予防する方法として広がりました。現代では、外科・内科を問わず、すべての診療科の患者さんに行われるようになった他、急性期だけでなく、回復期や在宅に至るまで、寝たきりを防止し、回復を早める手段として、大きく広がってきています。

学会活動内容

離床教育ガイドラインに基づいた教育活動


離床教育ガイドラインは、当会における離床の教育を標準化し、教育の目標や達成度を客観的に捉えることを可能にします。内容は翻訳され、海外においても標準化することを目指します。また、このガイドラインに基づき、国内における離床の知識・技術の向上を目的として、全国各地で教育講座を開催しています。すべての疾患に関係する呼吸・循環の生理をはじめ、脳神経・整形外科・がんなど、各専門領域の基礎知識、さらには離床をすすめるために必要な技術など、安全に早期離床を実現するために必要な知識と技術を教育しています。内容は急性期、回復期、生活期とあらゆる病期に対応したもので、年間に約10,000人の方々が参加しています。

1 日本離床学会の教育ガイドラインより抜粋

医療における基本事項と医療教育 病院における安全性の確保と労働環境の整備

大項目 中項目 小項目
□チーム医療(コラボレーション)マニュアルの整備 □チーム医療マニュアルが整備されている □離床チーム(E-MAT)が整備されている
□多職種カンファレンスのマニュアルが整備されている
□定期的に勉強会が整備されている
□連携評価ツールが整備されている
□離床基準マニュアルの整備 □離床の開始基準が整備されている □各部署で離床の開始基準が整備されている
□ステップアッププログラムが整備されている
□多職種共通の離床の開始基準が整備されている
□離床の中止基準が整備されている

臨床指導

臨床現場に赴き、離床を行うために必要な情報収集や離床技術を密着指導しています。また、施設内の「ねたきり文化」を変えるため、施設の教育方針やチーム立ち上げのお手伝いを行っています。

離床を行うために必要な書籍・雑誌の出版

離床に関する最新エビデンスから、論文・解説・世界の最新事情まで、幅広い内容を掲載しています。また、原著論文などの投稿論文なども充実しております。

年次学会の開催

毎年 6月に学術大会を開催し、離床の分野における国内エビデンスの構築や最新知識・技術の共有を目的に、 演題発表や教育講演を行っています。

国際連携

世界離床ネットワークと連携して、アジア・太平洋地域の離床の啓発活動を行っています。また、ネットワークから発信される、離床に関する最新エビデンスを国内の皆さんに配信しています。

学会が目指すもの

1.離床を引っ張る人材の育成

日本離床学会は、延べ10万人以上の教育で積み上げてきた独自の教育プログラムを駆使し、各施設において、先頭をきって離床を担う人材を育成しています。離床インストラクター・離床アドバイザーは、所定の教育プログラム・試験を修了した者として認定され、安全かつ効率的に患者さんの離床を援助していきます。また、各施設において指導的な役割を担うだけでなく、一般市民への離床啓発活動や、世界各国との連携を図る人材を育てていきます。

2.世界の情報発信基地であること

これまで日本離床学会は教育講座や出版活動によって、離床に関する多くの情報を発信してきました。また、学会首脳陣は、研究領域での研鑚を積み続け、多くの研究成果を発表してきました。そして、念願の多施設間研究もスタートしています。今後、日本離床学会は世界に向けて、こうした日本発のエビデンスを発信していきます。また、欧米から出されたエビデンスは当会ホームページの学術情報コーナーに掲載され、最新の情報を皆様に提供していきます。世界の情報発信基地としての学会活動に、是非、ご期待ください。

3.医療者・一般市民両面の啓発活動

現在は医療者向けの教育が中心ですが、今後は離床インストラクターによる一般向け教育が開始されます。離床は医療者のみによって進められるものではありません。最も重要なのは、患者・家族に自ら離床しようという意識があるか、です。日本離床学会は一般市民教育コースとして、医療者・一般市民両面の啓発活動を目指します。

教育講座の指針

1.教育講座の内容

早期から安全に離床を実現するためには、1)基礎となる知識、2)確固たる技術、3)最新の知見、4)臨床の勘、の4つが必要と考えています。当会は、教育講座の組み立てにあたって、こうした要素を網羅するよう留意し、講師陣にも徹底しております。

2.講師選定基準とプレゼンテーションの組み立て

各講座の講師は、臨床の最前線で活躍している方に依頼し、明日からすぐに活かせる知識をお伝えできるよう組み立てられています。新規講座の開講にあたっては、どのような先生であっても初稿の提出・予演等をご了承いただき、厳しいディスカッションのうえ修正、初回講演に臨みます。また、1回の講演が終了するたび皆様からいただいたアンケートをもとに改良を加え、次回講座に臨んでいます。常にバージョンアップする講義にご期待ください。

3.教育講座運営方針

当会では、講師自らがすすんで受付・会場設営・空調調節等を行い、受講生の皆さんと同じ高さの目線で講義することを目標としています。一生懸命働いている講師を見かけたら、暖かいお声掛け、宜しくお願いします。

4.プレゼンテーションの工夫

教育講座のプレゼンテーションは随所に工夫を凝らしております。“臨床ですぐに役立つ”“受講生を寝かさない”ことを常に意識し、随所にイラストや笑いを取り入れ、魅力あるプレゼンテーションを提供いたします。

5.教育講座の価格設定

講座の価格は、相場(各職能団体からの援助なしの団体として換算)の50~70%の安価で設定しています。しかし、一人でも多くの方に受講していただくため、郵送費やカラーポスターの印刷費が大きく運営を圧迫しているのも現状です。さらに安価な講座を実現するため、是非、お誘い合わせの上、ご来場ください。

研究の指針

近年、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence-Based Medicine)が提唱され、医療の進歩がさらに加速しています。その一方で、実際にエビデンスを構築しようとスタディを組もうと考えても、施設間の“横” のつながりが持ちにくく、多施設間研究が実現しにくいのが現状です。

日本離床学会は“横”のつながりを活かし、離床の有効性や安全性の証明、安全基準とリスクレベルなど、様々な研究を行い、皆さんが普段行っている離床の科学性を検証して参ります。

また、コメディカルにおける研究面での教育においても、世界に通用する研究者の育成を常に視野に入れて活動してまいります。

運営に必要な資金に関する指針

1.皆様から頂いた会費受講料の用途

皆様から頂いた会費・受講料は、講座運営費用のほか、離床啓発のための出版費用や、研究成果を発表するための研究費等にあてられます。また今後は、新人教育プログラムや離床インストラクター・アドバイザーコース等を充実させていくため、システム運用の費用としても活用させていただきます。

2.営利企業からの資金に頼らない運営スタイルの確立

現在、欧米を中心にCOI(利益相反:Conflict of Interest)という概念が広がっています。世間では“政治とカネ”の問題が取り沙汰されていますが、医療における学術分野にもこうした問題が取り上げられるようになりました。現在、学術発表の面ではこうした金銭のやり取りを公表する動きとなっていますが、その一方で、多くの学術団体が、年一度の学術大会を企業からの機器展示料に頼っているのも現状です。今後、こうした企業と学術団体との関係が問題と捉えられる可能性は否定できません。当会はこうした時代の流れを敏感に捉え、企業からの資金に頼らない運営スタイルの確立を目指し、会費収入・教育講座による収入・出版による収入を中心とした自己運営資金を柱とするスタイルを継続して参ります。

3.企業の皆様との協力関係について

当会は自己運営資金による運営を行うことにより、企業の皆様と未来型のより良い関係を築くことができると確信しております。金銭的な利害関係をゼロにすることにより、学術団体も企業も純粋に患者さんのためにどうすべきかを追求し、努力することができるものと考えます。よって、当会は、全国大会の機器展示を無料で開放します(要申込み)。患者さんによりよい機器や薬剤を提供するためにも、おおいにPRの場としてご利用いただけたらと思います。尚、有料広告の掲載や、お弁当の支給などは、お受けできません。ご了承ください。

将来の展望

日本離床学会は「寝たきりゼロ」を目指して、全員一丸となって頑張っていきます。まだまだ、全国的に見ても、本来起きることができる患者さんが、寝たきりになっているのが現状です。この寝たきりを無くすため、医療従事者は日夜鍛錬を積み、患者さんは、皆、起きることを自覚して生活する世界を創るのが、日本離床学会の願いです。

どうかこれからも進化し続ける日本離床学会にお力添えをいただけますよう、宜しくお願い申し上げます。