日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.561 【ハンカチーフサインを活かすコツ!】フィジカルアセスメントに関するQ&A

質問

手の甲や腕でツルゴールをアセスメントすることが多いのですが、高齢者の手の甲では、皮膚のしわによるものなのか、脱水によるものなのか判断に悩みます。手の甲・腕以外でツルゴールは評価されるのでしょうか?

回答

皮膚をつまんで離した際に皮膚のシワが10 秒以上残ることをツルゴール低下と呼びます。また、ハンカチをつまみ上げて離したようにしばらく戻らないので、ハンカチーフサイン陽性とも呼ばれ、脱水を疑う所見です。

高齢者は確かに皮膚にシワがあり、ツルゴールの判断に迷うことがあります。その場合には、鎖骨下あたりの皮膚で判断してみてください。手の甲のような末梢部より、鎖骨下の中枢部の方がより水分量を蓄えていて、ツルゴールの判断が容易にできます。つまり、鎖骨下でツルゴールが低下していたら、かなり脱水は進んでいることを示唆します。

また、ツルゴールやハンカチーフサインだけで脱水を確定することはできないため、他のアセスメントも知っておく必要があります。例えば、末梢血管再充填時間の延長、口腔内や脇の乾燥、脈拍が速いなど、他の評価・検査を統合して脱水を疑い、ケアや離床を安全に行いましょう。

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