日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A vol.85在宅患者さんの脈拍変動を考える

Q85.在宅管理中の患者さんで、日によって、脈が速かったり、遅かったりという方がいらっしゃいます。何を考えればよいでしょうか。

A85.通常であれば、不整脈を考えます。しかし、洞調律での頻脈、徐脈というのは稀ではなく、臨床ではよく経験するものです。まずは、その方の投薬状況を確認することをお勧めします。とくに、 心臓の興奮を抑えるβーblockerは徐脈傾向となります。場合によっては、意識が遠のくような方もいるため、この薬が使用されている場合は留意が必要でしょう。また、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、ベラパミル)、 ジギタリスも徐脈傾向となります。一方、頻脈の場合は、気管支拡張剤、ASOや脳梗塞の治療薬であるシロスタゾール(プレタール)等でも洞頻脈を生じるとされています。あと、見落としがちですが、抗うつ薬(ルボックス)でも頻脈を認める場合があるため、やはり全般的な投薬の管理は、循環器の在宅管理を行う上で、必須の項目と思われます。上記の点を踏まえ、在宅で生活されている方と関わって頂ければと思います。