日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A vol.80認知機能スクリーニングテストとしてのMOCA-J(モカジャパン)

Q80.MOCA-J(モカジャパン)は、認知機能のスクリーニング検査として有用でしょうか?

A80.MOCAは軽度認知機能障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)を検出するためのスクリーニング検査として開発されたものです。30点満点の検査であり、25点以下でMCI疑いとなります。視空間・遂行機能、命名、記憶、注意、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識をみることができますので、高次脳機能障害のスクリーニングとして用いることができると思います。ただし、高次脳機能障害より認知症の診断によく用いられておりますので、多施設への申し送りや、研究発表の場合にはHDS-RやMMSEの方が、高次脳機能障害のスクリーニング検査としては汎用性が高いので、あわせて検査すると良いかと思われます。MCIに対しては、有酸素運動を始めとする運動が、認知機能障害進行の抑制に効果があると言われています。このようなスクリーニング検査で、早期に認知機能低下を発見し、早期離床・早期運動を提供することが重要かと思います。