日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A vol.73血小板数減少と肝障害の関係

Q73.血小板数減少時は肝機能障害を疑うということでしたが、肝臓で血小板が作られなくなるからでしょうか?

A73.血小板数減少時には確かに肝機能障害を疑いますが、肝臓が血小板を作っているわけではありません。

血小板など血球(白血球・赤血球など)は、骨髄の造血幹細胞で作られます。

ポイントは血小板を壊す方にあります。

血小板数の基準値は13.0万~34.9万/μlです。

血小板の寿命は約10日で、古くなった血小板の多くは脾臓で壊されます。

脾腫になると脾機能亢進状態となり、血小板破壊が過剰となり血小板数減少となります。

脾腫の原因として多いのが肝硬変です。

肝硬変により脾臓への血流不全が起こり、脾腫となります。

結果として、血小板数減少の場合は肝障害(肝硬変)・脾腫を疑うわけです。

軽度の血小板数減少では無症状のことが多いですが、貧血が重度になると、積極的離床は困難となります。

ヘモグロビン値や呼吸促迫、頭痛、倦怠感などの症状に注意して、ケアや離床のレベルを決定するようにしてください。