日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A vol.69Aラインと末梢ラインの違いについて

Q69.私はリハビリスタッフとして病院で勤務している者です。術後患者さんにはAラインが挿入されておりますが、末梢静脈カテーテルとは何が違うのですか?

A69.臨床上、挿入されているラインは何を目的にしているか?
リスク管理の上でも理解しておくことは非常に重要ですね。

まず、Aラインから説明しましょう。
AラインのAはArtery(動脈)のAですね。
文字通り動脈に挿入されていることを意味し、重症患者さんや、術後急性期の患者さんに使用されているのを目にします。

その目的は、血圧の把握・管理や動脈血液ガス分析を行うことにあります。
血圧測定はマンシェットを用いて測定する通常の方法とは異なり、持続的、連続的に血圧を把握することが可能です。

また、動脈血液ガス分析とは動脈血中の酸素分圧や二酸化炭素分圧などの計測を目的とし、主に術後集中治療室での管理として用います。

一方、末梢静脈カテーテルは、一般的に行う点滴の際に使用します。
ちなみにAラインは薬液の投薬経路としては用いる事はありません。

Aラインは動脈に挿入されていますので、出血の有無、感染の徴候、末梢循環不全や疼痛等、合併症の管理をしっかりできると良いですね。