日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【患者さんだけの問題ではない!】身体抑制による医療者側の変化

今週と来週は、臨床で行われることのある、身体抑制について、一体どのような問題があるのか、どうすべきなのかについて学べる記事をお届けします。今回は「身体抑制による医療者側への影響」についてです。

身体抑制と聞くと、患者さんへの影響が注目されがちですが、実は身体抑制を実施する医療者にも大きく影響を与えます。どのような影響があると思いますか?具体的に医療者に与える影響を図にまとめました。

人間に対する身体抑制が、同じ人間の手によって行われることは、単純に辛いということだけでは片づけられません。身体抑制は、気が付かないうちに実施者に特別感を植え付けることもあれば、心のすさみや尊厳の軽視、他者への不信感を引き起こすこともあります。さらに、このような尊厳を軽視した行動をしている自分自身に対して、辛さを感じることになるため、医療者側にも悪影響を与えるのです。身体抑制は看護師だけの問題ではありません。

身体抑制をされている患者さんのリハビリをするときに、身体抑制を外したり付けたりする場合も同様の影響を考える必要があります。次回は、「こんなときに身体抑制をする?しない?」についてお届けいたします。

[身体抑制をしないケアについて学びたい方は]
5月20日(土) 14:00~16:00 ※2週間見逃し受講期間有り
“できない”の思い込みが患者さんをキケンにさらす
身体抑制をゼロにするケア・リハの目指し方
【講師】河合 佑亮先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/a07-2023#/