日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.738 【音だけ見ていませんか?】フィジカルアセスメントに関するQ&A

質問

聴診のときに、打診も合わせて診るべきと聞きましたが、どのように組み合わせて診ればよいですか?

回答

ポイントは、聴診と打診を“別々”に診るのではなく、所見を組み合わせてイメージすることです。

例えば、呼吸音が減弱している場合、その原因が“空気が多い”のか、“液体や組織で詰まっている”のかで対応は変わります。ここで打診を組み合わせます。呼吸音が弱く、打診で濁音があれば、胸水や無気肺など“含気が減っている状態”を疑います。一方で、呼吸音が弱く、打診で鼓音が強い場合は、気胸や過膨張など“空気が多すぎる状態”が考えられます。

また、左右差を必ず比較することも重要です。同じ部位を左右で叩き比べることで、微妙な異常にも気づきやすくなります。

さらに、体位を変えてから再度聴診・打診を行うと、分泌物貯留や軽度の無気肺では所見が変化することがあります。「ラ音がある」「呼吸音が弱い」といった単発の所見だけでは、病態の確信度は上がりません。

聴診で“異常の可能性”を拾い、打診で“空気か液体か”を推測し、左右差と体位差で“動く病態かどうか”を確認する。この順番を意識することで、胸部フィジカルの精度は一段と高まります。音だけで判断せず、打診を組み合わせて「胸の中で何が起きているか」を立体的に想像してみてください。

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