
質問
メラトニンは睡眠に関わるホルモンということですが、メラトニンの問題で離床に関わる睡眠障害になる可能性はありますか?
回答
はい、あります。離床が思うように進まないとき、その原因を筋力や意欲だけで説明していないでしょうか。
実は、離床と切っても切れない関係にあるのがメラトニンです。メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれますが、単に眠気を引き起こす物質ではありません。光と活動に反応しながら体内時計であるサーカディアンリズムを調整し、覚醒と休息のメリハリをつくる“時間の司令塔”です。
例えば、高齢者では加齢に伴いメラトニン分泌量そのものが低下します。また、入院中の患者さんや長期臥床の方では、昼間の光刺激が不足し、リズムが乱れやすくなります。夜間の頻繁なケアや騒音も、分泌を抑制する要因になります。
さらに、慢性疼痛、うつ状態、ストレス過多、交感神経の持続的亢進といった状態もメラトニン分泌に影響します。スマートフォンやタブレットなどのブルーライト曝露も、分泌抑制の一因として知られています。
重要なのは、「眠れない=不安や環境の問題」と短絡的に考えないことです。ホルモンリズムの破綻が背景にあれば、単なる睡眠導入剤だけでは根本解決にならない場合もあります。離床の視点で言えば、日中の適切な活動量、朝の光刺激、生活リズムの再構築は、メラトニン分泌を整える重要な介入です。
睡眠は回復の基盤です。メラトニン分泌の視点を持つことで、睡眠障害を「症状」ではなく「生理の乱れ」として捉え直すことができ、離床の方法に活かすことができるのです。
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