
質問
酸素療法中の患者さんで、離床や清拭のタイミングでSpO₂が急に下がったり、苦しさを訴えたりして対応に迷います。機器のトラブルなのか、病態の悪化なのか、どう見分ければいいですか?
回答
結論から言うと、まずは「測定の信頼性」と「酸素が届く経路」を最優先で確認し、そのうえで換気・循環・分泌物・労作のどこに原因があるかを短時間で絞り込みます。酸素療法中のトラブルは、病態以前に“道具と条件”で起きていることも多いからです。
第一に確認したいのは、SpO₂の誤差です。冷感や末梢循環不良、体動、マニキュア、プローブのずれで値が崩れるため、波形や脈拍表示が合っているか、別指や耳朶に変えるとどうかを見ます。
同時に、酸素の供給経路をチェックします。チューブの屈曲・抜け・結露による閉塞、加湿ボトルの水量、流量計の設定、壁配管やボンベ残量などの酸素源、カニューラの位置ずれや口呼吸での効きにくさなど、ここで解決するケースは少なくありません。
次に、患者側の要因を見ます。呼吸数増加、努力呼吸、発汗、会話困難などがあれば、酸素需要と供給がアンバランスになっています。体位でSpO₂が落ちるなら無気肺やV/Qミスマッチを疑い、上体挙上・前傾・呼吸介助で換気を確保します。痰がらみや湿性ラ音が強ければ、体位変換や呼吸法、吸引などの排痰手技の優先度が上がります。慢性呼吸不全でCO₂貯留リスクがある方は、酸素を上げれば安心とは限らないため、意識レベルや呼吸パターン変化もセットで観察します。
対応の順番は、①測定と機器を整える、②呼吸を楽にする体位と休息、③分泌物・気道の介入、④離床の負荷量を調整、です。落ち着いたら「どの条件で崩れたか」を記録し、次回は開始前にチューブ長・携帯ボンベ・流量・休憩ポイントを先にセットします。
トラブルはゼロにできませんが、準備と切り分けの型があると、現場で慌てず安全に対応できます。是非、上記を参考に離床前にしっかり準備しましょう。
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