日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.676 【離床時の呼吸法がポイント】下痢の続く患者さんに関するQ&A

質問

頻繁に下痢をする患者さんがいて、離床が中断になることがあり、困っています。何か工夫はありますか?

回答

下痢を繰り返している患者さんは、過敏性腸症候群が疑われます。臥床が長い患者さんは、腸も寝たきりの状態だと考えることが大切です。この状態で離床を行うと、交感神経が過剰に働き自律神経が乱れ、過敏性腸症候群となり下痢が続くことがあります。

対策として、離床の前後に、「深呼吸」を行うことがお勧めです。深呼吸はリラックスを促し、離床中の腸の過亢進を予防する効果が期待できます。呼吸と併せて、腸腰筋を軽く圧迫して腸の血流を改善することで、腸へのアプローチを行いましょう。腸腰筋は、臍と上前腸骨棘の中間点あたりに、やや深く指を入れると触れます。

また、過敏性腸症候群は、日常生活の中で腹圧が十分にかかっていないことも要因といわれています。臥床状態では、腸を動かす適切な腹圧がかからないので、できる限り座位時間を長く確保し、腹圧がかかるように工夫していきましょう。

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