
質問
腎不全の患者さんはなぜ息切れが起こるのですか?また、息切れが生じたときの離床の注意点について教えてください。
回答
腎不全の患者さんで息切れが起きやすい原因は、肺水腫と腎性貧血の2つが考えられます。
肺水腫については、腎不全により尿量が減少して体水分過剰になると、心負荷の増大から心不全に進展することがあり、心不全によって肺静脈の血液がうっ滞すると、肺に水分が漏れ出して肺水腫を引き起こします。肺水腫になると、肺のガス交換機能が低下して、息切れや呼吸困難感が生じます。
腎性貧血については、腎機能低下により、造血ホルモンであるエリスロポエチンの減少から貧血状態となり、全身への酸素供給不足によって息切れが出現します。
これらのことから、腎不全患者さんの呼吸状態に変化がみられた場合は、血液検査データやレントゲン画像を確認して、 息切れの原因を予測しましょう。息切れは、患者さんのADLやQOLを低下させ、離床の意欲も低下させるので、離床は負荷の低い活動から開始していきます。 腎不全患者さんは、息切れや意欲低下が起こることを前提に、離床の負荷やこまめなアセスメントをしながら進めていきましょう。
[呼吸・循環状態のアセスメントを安全な離床につなげるワザを学びたい方は]
〇2月24日(月・祝) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
本当にあった怖い話 症例で学ぶ呼吸・循環アセスメント50 〜急変を防ぎ、離床を成功させる究極の評価〜
講師:曷川 元 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r22-2025#/
皆様の申し込みを心よりお待ちしております。
[離床時のアセスメントを書籍で学びたい方は]
実践!離床完全マニュアル2
見本ページはこちら▼▼▼
https://www.rishou.org/publication/kanma2#/