
質問
半側空間無視の知覚型と遂行型で離床やリハビリの方法は変わりますか?
回答
変わります。半側空間無視には、課題の認知・推敲課程における分類として「知覚型」と「遂行型」に分類されます。「知覚型」は刺激を認識する際に無視を生じるタイプで、「遂行型」は刺激に反応して行為を行う際に無視を生じるタイプです。
「知覚型」は入力の時点で無視が生じるため、模写課題において左側の描画が一部欠ける“いわゆる半側の無視”です。一方、「遂行型」は出力の時点で無視が生じるため、机上課題では絵や食事が認識できているのに、行動をすると無視症状がみられるタイプです。
では、タイプ別の特徴を考慮したアプローチはどうすべきでしょうか。「知覚型」においては模写や迷路、間違い探し、塗り絵、トランプ、ボードゲーム、テレビゲームなどの視覚走査訓練や視覚の誘導などで左側への気づきを促します。
「遂行型」においては頸部・体幹回線運動やリーチ動作、座位・立位バランスなどの、身体機能訓練を通しての感覚刺激入力や運動探索課題、ADL訓練において日常生活動作の向上を促していきます。また「遂行型」は机上課題では半側空間無視がみられないのに、実際のADL場面ではみられる場合も少なくありません。
実際のADLにおいて安全に活動できる場面を増やしていくことが大切なため、気づきを促す工夫や代償手段の獲得、環境調整も重要です。さらに、注意障害や構成障害、病識の低下を伴うことも多く、ほかの高次脳機能障害も評価、考慮して患者さんにあったアプローチを考えていく必要があります。
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