質問
血圧による離床基準はどのように決定すればいいですか?
回答
日本離床学会の離床開始基準にある、収縮期血圧200 mmHg 以上の場合は、動脈硬化や交感神経活性・ストレスが考えられ、肺うっ血による心負荷や脳血管疾患のリスクが高くなります。また、収縮期血圧が80mmHg 以下の場合には、脱水や心機能低下、降圧剤の影響が考えられ、そのまま離床を行うと起立性低血圧症状を引き起こす可能性があります。
さらに、平均血圧は臓器血流を反映するといわれ、離床の基準に有用です。平均血圧65mmHg以下では、離床を一旦控え、脱水や心機能のアセスメントと対策を行ってから、再度離床を検討する目安となります。こうした数値を参考に値を決めていってください。
血圧の基準は、疾患によりかなり異なるので、基準を採用する診療科や患者さんの背景を加味して作成すべきです。例えば脳梗塞急性期であれば、収縮期血圧220 mmHgまで許容されますし、心不全患者さんでは、離床によって収縮期血圧が15 mmHg 低下しただけでリスクになり得ます。離床時の血圧変化は重要なリスク管理の一つですが、基準の数値を超えるかどうかではなく、血圧変動から状態を予測するようにしましょう。
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