質問
FIO2が0.7を超えた場合は離床は絶対禁忌になりますか?
回答
結論から言うと、FIO2が0.7を超えた場合も、離床は絶対禁忌ではありません。その理由を解説していきます。
吸入酸素濃度(FIO2)は、吸った空気に含まれる酸素の濃度を表します。FIO2のみでの離床の判断はしませんが、先行研究によるとFIO2「0.6」がkeyになっており、人工呼吸器をつけたまま歩行練習を実施するなど(文献1)、離床の基準を示した報告において、0.6まではリスクが低いとされています(文献2)。では、FIO2:0.7だと離床は絶対禁忌となるのでしょうか?
そうではありません。0.7以上では、有害事象のリスクはやや高くなりますが、離床することのメリットがそれを上回る場合は、予防策や禁忌事項の把握などのリスク管理をしっかりとした上で実行することもあります。信号に例えると、0.6までを青信号だとすれば、それ以上は黄色信号、つまり注意しながら離床を検討することもあるということになります。
確かに0.7以上の酸素が必要な呼吸状態では、肺が自発呼吸によって壊れるリスクがあります。リスクと離床によって得られる利益を天秤にかけて、離床の利益の方が優先と判断された場合は、離床を進めることがあります。離床する場合には、呼吸をハカハカさせないで行うのが、肺を壊さないために重要です。自信がなければ、ベテランの先輩や医師に相談しながら行いましょう。
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