質問
腹水の貯留か皮下脂肪か迷うことがありますが、見分けるコツはありますか?
回答
腹水と脂肪の見分け方について、打診と触診を用いることが有用です。まず、水は動くものなので、この腹水を故意に動かすか、移動させるかの2つの方法があり、簡単に水が移動したら、腹水を、そうでなければ脂肪を疑います。
水を移動させる方法として、背臥位と側臥位での打診音の違いを見る方法があります。腹水は重力により側腹部に貯留しやすく、背臥位では腹部中央が鼓音に、側臥位では上側が鼓音になります。鼓音域が変化する場合は腹水を、そうでない場合は脂肪と推測できます。
もう一つ、側腹部を軽く叩き、対側に置いた手に波動を感じるか、というアセスメント方法があります。水は振動をよく伝えるので、対側の手に波動を感じた場合は腹水を疑い、振動が途中で止まり、対側まで波動が伝わらない場合は脂肪と推測します。腹水は肝障害の悪化や離床のリスクにつながる症状なので、しっかりとアセスメントできるよう、上記の方法を活用してみてください。
[肝障害・腹水のフィジカルアセスメントと離床可否の判断を学びたい方は]
9月10日(日) 10:00~16:00 ※2週間見逃し受講期間有り
がん・腎不全・肝不全のフィジカルアセスメント
【講師】福島 卓矢 先生 水谷 肇 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r181-2023#/
皆様の申し込みを心よりお待ちしております。
Tweet