質問
右室梗塞は右室の傷害なのに、左室の心拍出量が低下するのはなぜですか
回答
右室梗塞は右冠状動脈近位部の閉塞により、下壁梗塞に右室梗塞が合併します。心電図では、下壁を反映するII・III・aVF でST 上昇を認めます。右室梗塞で左室の心拍出量低下が起こる理由は2つ考えられます。
1つは、右室の心筋傷害により右室収縮能が低下するため、肺動脈を経て左室へと流入する血液量が低下することが理由です(左室前負荷の低下)。2つ目の理由は、右室に残存する血液量が多くなることで、右室が拡張し左室を圧迫するため、左室に入る血液量(左室容量)が低下するからです。左室前負荷の低下と左室容量の低下によって、左室の心拍出量が減少すると考えられます。右室梗塞は右室の障害だけ、と考えずに、トータルにリスク管理をする必要があります。
[循環アセスメントを基礎から学びたい方は]
6月25日(日) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
今さら聞けない!循環アセスメントのポイント“50”
【講師】原田 真二 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r10-2023#/
皆様の申し込みを心よりお待ちしております。
Tweet