質問
動作を援助する方法でハンドリングっていわれていますが、動作介助とはなにが違うのですか?
回答
ハンドリングとは、患者さんの身体に直接触れ、「目的動作・行為」の支援を手段として回復を援助していくことであり、動作介助は特定の「動作」を支援し、正確性や安全性を確保するための手法のことです。例えば、脳卒中の後遺症で手指の動きが不自由になった方に対し、徒手的に遠心性収縮を活用して筋ストレッチを行い、筋活動を促していくのがハンドリングの一例です。ハンドリングは一方的・他動的に行ったり、対象者の動きに追従したりするものではなく、患者さんの能動的な動きやスタッフの操作に対する、患者さんの反応を絶えず確認していくことが重要となってきます。
一方で、動作介助は患者さんが特定の動作を行う際に、身体の一部または全体を支えたり、正しい動作を促進したりするために行われる技術です。例えば、脳卒中に伴い右肩麻痺を呈している患者さんがベッドと車椅子間を移乗する場合、車椅子や介助者の位置を工夫し、できるだけ負担が少なく効率的に行う方法を探していきます。
動作介助は、患者さんが特定の動作を行う能力を持っている前提で、その動作を完全にひとりで行うことが困難な場合に使用されます。よって、患者さんが動作を正しく習得したり、安全性を確保したりするために行われるものです。ハンドリングと動作介助は似ているようですが、ADL援助やリハビリの場面で、うまく使い分けられるように意識することで、効率的なアプローチができると思います。
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