日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.449 【意外と知らない3つの働き】脊柱起立筋と離床に関するQ&A

質問

脊柱起立筋は離床の重要ということはわかりましたが、離床すれば脊柱起立筋の筋力低下は予防できるのでしょうか?

回答

離床によって脊柱起立筋の筋力低下はある程度予防できます。脊柱起立筋は離床に欠かせない抗重力筋で、その名の通り、脊柱を起立(伸展)させる作用があります。

実は、脊柱起立筋は脊柱起立筋“群”でいくつかの筋の集まりを指します。具体的には、頭頸部や脊柱の伸展と回旋を行う筋、最も深部にある横突間筋、棘間筋に分類されます。注意すべきは最も深部にある横突間筋、棘間筋で、これらの筋は感覚受容器である筋紡錘が通常の筋の何倍もあるといわれています。横突間筋、棘間筋が脊椎の動きを敏感に察知して、離床時の姿勢の安定に関与していると考えられます。

臥床が長くなればこれらの筋の萎縮も進み、離床のセンサーとしての働きがうまくできなくなり、離床時の姿勢の崩れや腰痛にもつながるリスクになります。筋力の維持はもちろん、感覚センサーとしての働きを維持するためにも、脊柱起立筋を意識した離床を行うことは重要だと思います。是非、意識してみてください。

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