日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.446 【なるべく使わないほうがいいの!?】亜脱臼に対するスリング使用に関するQ&A

質問

脳卒中患者さんの亜脱臼に対して、スリングはなるべく使わないほうがよいのでしょうか?

回答

離床中など場面を限定して使用することは有用と考えます。脳卒中患者さんでは、麻痺や筋緊張異常の影響から、肩関節亜脱臼を生じることがあります。肩関節亜脱臼は、痛みの原因にもなるため、早期から対策することが重要です。

対策の1つとしてスリングによるポジショニングがありますが、適応と限界を理解して用いる必要があります。まず、スリングの効果は装着している間に限定されているので、装着することで亜脱臼が整復されて改善する効果はありません。また、スリングの装着によって軟部組織損傷が起こりやすいという報告もあるので、使用は離床する時など、限定的として、ベッドサイドでは外すのがお勧めです。根本的な対策としては、上腕骨を支えている肩関節の筋へのアプローチや、神経筋電気刺激が挙げられます。疼痛管理と合わせて、アプローチを実施していきましょう。

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