日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.437 【骨転移と離床に関するQ&A】第3胸椎でコルセットは不要か

質問

第3胸椎に骨転移がある患者さんがいますが、主治医はコルセットをつけなくても良いと話しています。大丈夫でしょうか。

回答

第3〜9胸椎は胸郭により屈伸や回旋運動が制限され安定しているため、不安定性が軽度〜中等度の場合はコルセット作成しない場合も多くみられます。 実際には、コルセットを作成するメリットとデメリットがあるので、患者さんの希望も踏まえて、チームで相談して検討することをお勧めします。

骨転移の治療は放射線療法、薬物療法を行い、必要があれば手術療法を行います。治療中や治療後に離床を進める時は、頚胸椎移行部や胸腰椎移行部は可動性が大きいため、頸椎カラーやコルセットを装着して行います。コルセットは装着の有無、硬性か軟性か、いつまで装着すべきかなどについて、はっきりしたエビデンスがないため、現状は医師の経験や判断によるところが多いようです。

一方で、装着によりQOLが低下するリスクもあります。そのため離床する時は、患者さんに異常所見があれば直ちに主治医に報告・相談し、適切な対応ができる体制づくりをしておくことが重要です。

骨転移があるから離床は難しいと決めつけず、
チームで離床のメリットとリスクについて話し合い、検討するようにしましょう。

参考文献
酒井良忠:骨転移による装具療法の活用.日本技師装具学会誌34:285-290,2018.
大森まいこ:骨転移の診療とリハビリテーション.医歯薬出版,120~121,2014.

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