日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.402 【在宅酸素の患者さんがトイレ動作で息切れ】報告すべき?待つべき?

質問

在宅酸素療法で鼻カヌラ(安静時1L/分、活動時2L/分)使用中の利用者さんを担当しています。最近、トイレ動作時に息切れが強くなっているのですが、担当医に酸素流量の増加を相談すべきでしょうか?

回答

主治医に相談する前に、まずはトイレ動作時の呼吸パターンを見直してみましょう。トイレ動作時に息切れが出現している原因として、排便時に力んで呼吸を止めていることが考えられます。特に、排便にて腹圧をかけようとすると体幹前傾、骨盤後傾位となりやすく、これにより胸郭の可動性が低下して努力様の呼吸になります。呼吸パターンも口呼吸がメインとなり、鼻カヌラをしていても上手く酸素を体内に取り入れることができません。

そこで、呼吸法の指導と姿勢調整を行いましょう。排便時は口すぼめ呼吸でゆっくり息を吐きながら、徐々にお腹に力を入れるようにし、呼気に合わせてお腹に力を入れるのがポイントです。吐いたあとは、鼻から吸うように声掛けをします。

また、姿勢については下衣着脱から清拭まで体幹前傾姿勢になりやすい、という特徴があります。だからこそ、下衣着脱時は膝を屈曲して体幹前傾とならないようにし、排泄時は背もたれに背中がつくよう体を起こすよう指導しましょう。息切れが出現すると利用者さんも焦ってしまいます。焦るとより呼吸困難感を助長させるので、普段から呼吸法と動作指導を行うことが大切です。主治医への相談も大切ですが、その前にできるアセスメントや指導も見直してみてください。

[回復期・在宅における呼吸アセスメントを学びたい方は]

12月18日(日) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
モニター・検査データ不足の不安を解決
自信をもってケア・リハビリを行うための 回復期・在宅呼吸アセスメント講座
【講師】飯田 祥 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r26-2022#/

皆様の申し込みを心よりお待ちしております。