日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.362 【何が危険なの?】便秘に関するQ&A

質問

便秘には軽症なものと重症なものがあるということですが、離床を検討中の患者さんで気をつけるべき便秘にはどのようなものがありますか?

回答

便秘で重症なのは「結腸癌」と「腸管穿孔」です。ご質問にあるように、便秘には軽いものから重症なものまであります。注意しなければならないのは、一概に便秘の期間が長いから重症、排便が少ないから重症というわけではないことです。便秘をきっかけに内視鏡検査で結腸癌が見つかるケースもあります。便秘に加えて血便がみられる場合や、便が細いなどの症状がある場合は、結腸癌を疑いましょう。

また、臨床で注意すべきはもう一つの腸管穿孔です。便秘があって腸管内圧が元々高い患者さんに、処置として下剤や腸管洗浄液を使用すると、急激に腸管内圧が上昇し、腸管穿孔を起こすことがあります。多くの場合は、便秘に加えて急激な腹痛や嘔吐がみられるので、このような症状が出現した場合は、腸管穿孔を疑い主治医やベテランスタッフに報告しましょう。腸管穿孔を起こすと、腹膜炎から敗血症に進展し重症となることがあるので、これらの処置にはリスクがあることを十分理解する必要があります。

離床前に患者さんの便秘に気が付いたら、「どうせいつものこと」と思わずに、重症ではないか?と疑ってみてください。

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