日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.360 【髪の毛が洗えない!】肩関節の痛みがある場合の入浴動作に関するQ&A

質問

肩関節拘縮により、痛みが強い方への入浴動作(洗髪)指導はどのように行えばよいでしょうか?

回答

肩関節拘縮により、痛みが強い方への入浴動作指導のコツは、肩以外の関節を動かしやすくするよう促していきましょう。例えば、肩関節拘縮でうまく洗髪動作ができない場合は、股関節や体幹、頸部の可動域を向上させることでカバーできます。ポイントは「前傾」と「側屈」です。股関節や体幹、頸部の可動域を向上することで、体幹前傾姿勢を取りやすくなり、肩関節を大きく挙上しなくても、洗髪動作を行うことができます。

加えて体幹や頸部側屈の動きができるようになれば、シャワーチェアの肘掛け部分に肘を置いた状態で側頭部を洗えるので、動作の安定性が増し、痛みの軽減につながります。体幹の動きは肩関節の動きに大きく関わっているので、入浴などADLで肩関節と体幹を連動して使うことにより、結果的に肩関節の可動域改善につながるケースも経験します。

痛みのある動作を繰り返すと、関節可動域制限の改善は難しいため、隣接関節もうまく活用しながら、痛みなく改善を目指すことが重要です。是非、参考にしてみてください。

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