日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.355 【困る肩の痛み!】離床を促すためのコツとは

質問

腱板損傷により肩関節の痛みが強くて、臥床時間が長い患者さんがいます。離床を促すために、どのような対応をしていけば良いでしょうか?

回答

病棟での対応は、肩と肘の位置に注意してポジショニングすることがコツです。解説していきましょう。

腱板損傷の患者さんは、動かすたびに炎症や腫れが悪化して、最悪の場合は腱板断裂を引き起こす可能性があるので注意が必要です。腱板損傷で痛みを訴える要因として、ベッド上のポジショニングが悪いことを経験します。背臥位で寝ていると、肩関節に対して肘関節の位置が下にきます。すると、肩関節の前方部分が引き延ばされ、腱板に負荷がかかって炎症を悪化させるリスクが高くなります。これが痛みの原因です。

対策として、タオルやクッションを使って、肩関節と肘関節が同じ高さとなるように調整しましょう。ポジショニングが整うことで痛みが緩和するようであれば、離床を促すチャンスに変わります。ちょっとしたことですが、意外とできていないことが多いので、見直してみてください。

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