日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.331 【その痛み様子見で大丈夫?】緊急性の高い痛みに関するQ&A

質問

腸閉塞などでは、どこに関連痛が出現するのですか?また、痛みの特徴やその他にみるべきポイントはありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

腸閉塞の関連痛は一般的に「背中」に多く認められます。正確には腰あたりをさしますが、同じ部位に関連痛をもつ疾患として「尿路結石」があるので鑑別が大切です。尿路結石では激しい疼痛の後、一気に疼痛が軽減するという特徴がありますので、「痛みの消え方」も重要なチェックポイントになります。痛みが出現した時は精神的にもパニックになっており、あまり覚えていない場合もありますが、痛みが消えたきっかけやタイミングは覚えているものです。

一方、腸閉塞の痛みは、悪化と緩和を繰り返すケースが多いと言われています(腸管虚血が生じ緊急手術を要する場合は激痛が持続する場合が多い)。併せてみるポイントは、腹痛(臍周り)、吐気・嘔吐、排便や排ガスを認ない、腹部の膨隆といった症状が出現するケースも多いです。

また、腹部手術の既往があるケースも多いので、そのような視点も鑑別に役立つでしょう。

痛みを訴える患者さんに出会ったら、「どうせいつものこと…」と決めつけず、必ず重症な疾患が隠れていないかという視点で評価していくことが重要です。