日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.327 【離床時にここは注意!】抗不整脈薬とリスク管理に関するQ&A

質問

頻脈性不整脈で使われるβ遮断薬は、副作用による心不全が注意とのことですが、離床時に注意すべきことがあれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

β遮断薬は、交感神経をブロックすることで心拍数が増加しづらくなるので、離床や運動負荷の際には、心拍数の増加だけを目安にすることには注意が必要です。心臓の収縮力も低下させますので、離床レベルや運動負荷量を増加させているときに、急な血圧低下が生じる危険があります。

運動負荷量や離床レベルの目安に心拍数を用いる場合には、主治医と相談して目標値を検討しましょう。運動開始初期の簡便な目安として、安静時心拍数+20 回/分としておく方法があります(文献1)。参考にしてみてください。

日本循環器学会/日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン. 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン 2021年改訂版.