日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.322 【どうやって回数を増やす!?】拘縮予防に関するQ&A

質問

拘縮が進行する原因には不動以外に何がありますか?その対策も教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

拘縮が進行する原因として、不動以外には脳卒中による運動麻痺が挙げられます。脳卒中で起こる運動麻痺により麻痺側の関節を動かす機会が減ると、徐々に筋緊張が高くなり、結果的に関節拘縮が進行してしまいます。

対策として、「臥床時のポジショニングを徹底すること」が重要です。もし寝たきりの方であれば、背臥位やヘッドアップ時のポジショニングを徹底します。例えば、ベッドと肩の間に隙間が空いてしまうと、首だけで体を支えるような姿勢になります。この姿勢では腕の重みで常に肩関節が伸展している状態になり、肩関節の拘縮と疼痛発生の原因になるので注意が必要です。麻痺側上肢の下にクッションを敷いて上肢が体より高くなるよう位置調整し、上肢に余計な力が入らない、楽な姿勢が正しいポジショニングとなります。下肢も同様に、膝下や足底にクッションを敷いて、なるべく体とクッションの間に隙間ができないよう注意してポジショニングをしましょう。是非、試してみてください!