日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.297 【なぜ失語に?】視床の障害で起こる失語の特徴

質問

視床の障害でも失語になる患者さんを経験しますが、なぜ言語中枢は障害されていないのに、失語になるのでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

視床の障害で失語が起こるのは、言語中枢と神経の連絡があるためです。画像の黄色の丸が言語中枢で、赤い線で示すように、視床の外側や後部と言語中枢には、双方向性に連絡線維が通っています。そのために、視床の障害で失語が起こると考えることができるのです。視床での失語の特徴は、発語が少ないのに対して、言語理解や復唱は良好なことです。

離床の際には、反応は乏しく見えても、口頭での声かけは有用なタイプと考えられます。是非、画像もアプローチのヒントにしてみてください。