日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.267 【離床のしすぎはNG!なかなか治らない褥瘡に関するQ&A】

質問

在宅療養でデイサービスに通っている方で、1年前から褥瘡を繰り返していて、最近臀部の褥瘡の悪化がありました。日中は車椅子で過ごしていますが、自力で移乗は不可。車椅子ではジェルタイプのクッションを使用しています。褥瘡治癒のポイントはなにかありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

褥瘡の創自体の治療は適切に行う前提で、さらに2つポイントがあると考えます。1つは「離床のしすぎ」です。デイサービスに車椅子でいって、ずっと座りっぱなし、自宅でも朝起きてから車椅子に座りっぱなしということで、坐骨部の褥瘡がなかなか治らないことがあります。デイサービスのスタッフや家族に、30分から1時間くらいは臥位になる時間をつくるよう相談してみましょう。

もう1つは「車椅子のクッション」です。車椅子のクッションは、ちゃんとジェルタイプのものを使用しているので、圧分散には有効だと考えられます。しかし、クッションが古くなると、圧分散効果が薄れ、褥瘡の進行につながれることがあります。クッションを新しいものに変えることも有効だと考えます。一見対策ができていても、思わぬところに褥瘡の原因が隠れていることがあるので、注意深くアセスメントして、対策を考えてみてください。