日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.255 【HDLが多くても安心できない?】コレステロールに関するQ&A

質問

高血圧の原因となる動脈硬化は、LDLコレステロール高値がリスクと講義でわかりましたが、HDLコレステロールが高値の場合の注意点はありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

一般的には、HDLコレステロールが高い値を示す場合は問題となりません。動脈硬化性疾患の発症は、LDLコレステロールとは反対に、HDLコレステロールが低いと多く、高いと少なくなります。

ただし、日本人に関係が深いと考えられている遺伝性疾患の1つであるCETP(コレステリルエステル転送蛋白)欠損症では、HDLコレステロールが高いにも関わらず動脈硬化性疾患の合併がみられるので要注意です。 CETP欠損症は飲酒が原因といわれているため、CETP欠損症が疑われる場合は、あらかじめ狭心症症状の有無や負荷心電図、頸動脈超音波検査などを確認しておきましょう。