日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.234 【頸静脈怒張が見えない!】観察できない場合のひと工夫

質問

頸静脈怒張をアセスメントしようと観察しているのですが、うまく判断できません。観察のコツがあればおしえてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

頸静脈怒張は、体水分バランスをフィジカルアセスメントで知ることができる、重要なアセスメントです。ヘッドアップ45度以上で頸静脈怒張がみられる場合には、水分バランスはプラスの状態を反映しており、心不全などを疑います。

でも臨床では、「いったいどこを観察すればよいの?」「頸静脈の怒張って、これ怒張? 正常範囲?」などの悩むことも多いかと思います。工夫としては、写真のように頸部を左回旋させ、右側の「外頸静脈」を選択すると観察しやすいでしょう。

それでも頸静脈圧上昇が明らかでない場合の工夫としては、ヘッドアップ45°座位で、右季肋下の肝臓部分を手掌で1分間静かに圧迫してみてください(写真)。肝臓下を圧迫することで、肝頸静脈逆流が起き、うっ滞していた血液が右心房へ流れるため、頸静脈が怒張して観察しやすくなります。

うまく観察ができない場合には試してみてくださいね。