日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.233 【0.5 mm を見逃さない!】肺炎レントゲン読影のポイント

質問

エアブロンコグラムのメカニズムを教えてください。なぜ、見える気管支と見えない気管支があるのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

エアブロンコグラムとは、本来見えないはずの気管支陰影が浮き上がって見えることです。正常肺の肺胞と気管支には、どちらも空気が入っているので、X線やCTではどちらも黒く映り、その境目を見ることはできません(図A)。

肺炎では、肺胞に浸出液が溢れ出て肺胞が水浸しになり、コンソリデーション(浸潤影)が生じるため、肺野は白く映ります。しかし、肺炎は気管支内には病変を作らないため、気管支内は空気が残り黒く映ります。本来空気が溜まっていて見えないはずの肺胞が白く映り、気管支は黒く映るため、コントラストがついて、径が0.5mm以上ある気管支が可視化され、陰影として見えるようになります(図B)。

エアブロンコグラムを見つけたら、炎症所見などを見極めて、離床を慎重に検討するようにしましょう。