日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.221 【サポートがあれば安心?】人工呼吸器装着患者さんの離床に関するQ&A

質問

SIMVの呼吸回数で呼吸状態は判断できますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

結論からいうと、SIMVの呼吸回数だけで判断は難しいです。

SIMVは、機械呼吸と自発呼吸がミックスされている換気の様式で、設定した回数分は人工呼吸器が陽圧で換気を行い、それ以外は患者さんが自発呼吸を行うというモードです。シンプルに考えると、SIMVで呼吸回数の設定が多いということは、それだけ人工呼吸器の手助けが必要ということになります。

逆に呼吸回数の設定が少なければ、患者さんの自発呼吸が優位となっている、すなわち状態が安定してきているということになります。

このように徐々に呼吸回数の設定を減らすことで、自発呼吸の割合が多くなり、患者さんの呼吸状態が改善していることが想像つきます。

しかし、注意しなければならないのは、自発呼吸が増えるということは、それだけ呼吸仕事量が増え、患者さんには負担がかかります。この負担により、再び呼吸状態が悪化する可能性もあるため、慎重にアセスメントをしなければなりません。

呼吸回数の設定が変わった後は、特にアセスメントを注意深く行い、離床の判断に活かすようにしましょう。