
質問
不穏状態で、チューブを自己抜去してしまいそうな患者さんがいます。安全確保のためにも、身体抑制をすべきでしょうか。
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
患者さんや医療職員に差し迫った危険がないようであれば、身体抑制を実施するか否かの検討の前に、不穏や危険行動が生じている背景にどのような要因や患者のニーズがあるのかをアセスメントしましょう。
不穏が生じる要因で最も多いのは、①鎮痛や鎮静が不適切、②強度の不安、③せん妄です。
このうち、③せん妄については、適切なツールを活用してスクリーニングを行いましょう。
適切なツールとしてCAM-ICUとCAMをお勧めします。
CAMとCAM-ICUは、4つの所見「急性発症と変動性の経過」「注意力障害」「意識レベルの変化」「無秩序な思考」を観察するという点において共通であり、ICU等の治療室と一般病棟で一貫してアセスメントに使用できる利点があります。
特に、「急性発症と変動性の経過」「注意力障害」は、せん妄の必発症状ですので、重点的に観察しましょう。
せん妄ということであれば、その原因となった疾患の評価や薬剤の影響などを見直しましょう。
チューブを触れたらすぐに身体抑制ではなく、その背景のアセスメントに注意してみてください。
※画像の被写体はモデルです。
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