日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.202 【浮腫んで体重が増えてきた…】なにが原因と考えますか?

質問

離床レベルをアップした患者さんの、尿量が減って、浮腫みがあり、体重が1日で2kg増加しました。その原因とみるべきパラメータはなんでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

まず考えられるのは心不全です。心不全により心臓の動きが悪くなると、心臓へ帰る血流がうっ滞し、浮腫みが生じます。それが原因で体重増加を認める場合があります。

また、腎不全の場合にも浮腫みと体重増加を認めます。腎不全では、ろ過機能の低下から、過剰な水分を排出することが出来ないためです。

両者の鑑別には、血液データが使えます。

心不全であれば、脳性(B型)ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が指標となり、100pg/mL以上では心不全を疑う目安となります。

腎不全であれば、尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cre)が指標となり、BUN 40 mg/dL以上、Cre 2.0 mg/dL以上では腎機能障害を疑います。

血液データの他にも、フィジカルアセスメントや画像データも参考となるので、複数のパラメータを統合して、離床の判断に活かすように心がけてください。