質問
離床レベルをアップした患者さんの、尿量が減って、浮腫みがあり、体重が1日で2kg増加しました。その原因とみるべきパラメータはなんでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
まず考えられるのは心不全です。心不全により心臓の動きが悪くなると、心臓へ帰る血流がうっ滞し、浮腫みが生じます。それが原因で体重増加を認める場合があります。
また、腎不全の場合にも浮腫みと体重増加を認めます。腎不全では、ろ過機能の低下から、過剰な水分を排出することが出来ないためです。
両者の鑑別には、血液データが使えます。
心不全であれば、脳性(B型)ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が指標となり、100pg/mL以上では心不全を疑う目安となります。
腎不全であれば、尿素窒素(BUN)とクレアチニン(Cre)が指標となり、BUN 40 mg/dL以上、Cre 2.0 mg/dL以上では腎機能障害を疑います。
血液データの他にも、フィジカルアセスメントや画像データも参考となるので、複数のパラメータを統合して、離床の判断に活かすように心がけてください。
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