日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.201 【代償反応の早いゆっくりを見極めよう!】酸塩基平衡に関するQ&A

質問

呼吸性の代償反応に比べて、HCO3による代謝性の代償反応はゆっくり起こるということですが、どのような理由なのでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

HCO3による代償反応は、ゆっくり起こるものだけではなく、早く反応しているものも実はあります。

HCO3の増加による代償反応には、ヘモグロビンによる急性反応と、腎臓による慢性反応に分かれます。

急性反応とは、CO2を赤血球とヘモグロビンが緩衝して、HCO3に変換した反応です。例えば人工呼吸器の分時換気量を減少させて、PaCO2が急激に上がると、すぐにHCO3-が増加する反応です(図中①)。

慢性反応とは、急性反応後にゆっくりとHCO3が上昇することを指します(図中②)。慢性反応は、腎においてHCO3の再吸収を促進している反応で、腎による代償には、数日かかります。

臨床では、時期により代償が働いている場所が違うことを意識しましょう。

引用文献 曷川 元,黒田 智也 編著:Q&Aとアウ値で学ぶ検査データが丸ごとわかる本.慧文社,2020.p124.