質問
講義の中で、高齢は外科手術のリスクとありましたが、具体的になにがリスクなのでしょうか。
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
高齢のリスクは、ひと言でいうと「免疫機能低下」です。
高齢者の免疫機能が低下することはよく知られていますが、そのキーマンは「T細胞」といわれています。T細胞は人間の免疫機能の司令塔を務める細胞で、病原体が身体に侵入すると、サイトカインに出動を命じたり、一度侵入した病原体の情報を分析し、獲得免疫の生成に働きます。
このT細胞は75歳以上では産生が著しく下がるため、免疫機能につながるのです。
具体的には、術後の二次感染による悪化や、感染からの回復が長引き慢性炎症となりやすい特徴があるため、高齢者の外科手術の場合は、術前から離床の重要性を理解してもらい、術後はできるだけ早期から離床し、合併症を起こさない配慮が必要です。
是非、年齢にも着目し、ケアや離床に役立ててください。
Tweet