質問
神経筋電気刺激(EMS)は、蛋白異化期である急性期でも効果は期待できるのでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
筋力を改善する上で、病勢を意識することは重要ですよね。
ご質問の内容については、エビデンスは明確にありませんが、経験的には効果のある症例もいます。
ご質問の通り、一般的に炎症の強い時期は、蛋白を消耗する時期(異化期)といわれ、トレーニングをしたとしても筋力は改善するどころか、逆に悪化するリスクがあると考えられています。
実際にこのような異化期には、EMSの使用は避けるべきという意見もあります。
一方で、異化期と思われる患者さんに対するEMSを使用することで、筋萎縮が予防できたという報告もあります。
これは、炎症の厳しい時期でも、最低限の刺激を筋・神経に入れることで、筋・神経の廃用を予防出来ていると考えられます。
明確なエビデンスがない領域ですが、深鎮静・人工呼吸器管理で積極的に離床が困難な事例などでは、電気刺激を予防目的で用いることは、1つの可能性としてはよいのではないかと考えます。
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