日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.175 【金属音ってどんな音?】聴診音から病態を想像するワザ

質問

腸閉塞のときの聴診所見で、金属音が聞こえるとありましたが、実際にはどのような音が聞こえるのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

確かに、「金属音」といわれてもイメージがしにくいですよね。聴診音はその人が聴こえた音を表現するので、どうしても主観的になりがちです。

金属音については、「遠くのほうで鉄琴やトライアングルを鳴らしているような音」や、「カンカン・キンキンという金属をたたいている音」と表現されることが一般的です。このほかに、「風船の表面を指で強く擦ったときのギュギュっという音」のような表現もあります。

金属音が聞かれる理由は、腸閉塞で腸内にパンパンに詰まった内容物が、腸の内壁に擦れるように動く際に生じるとされています。通常のお腹の音は、「コロコロ・ゴロゴロ」と低い音なので、高い音が聴こえたときは、腸閉塞を疑い、排便や排ガスの状況をチェックし、それらが無い場合は、すぐに報告するようにしましょう。