日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.162 【対応力がポイント!】呼吸筋ストレッチに関するQ&A

質問

呼吸筋ストレッチの際に、呼吸を合わせるように指導するのですが、患者さんによっては、なかなか合わせられないこともあります。何かコツがあれば教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

アドバイスとしては、「無理に呼吸の同調を求めない」心構えが大切だと思います。
一般的に、筋をストレッチするときには、ゆっくり呼吸をし、特に呼気を長くするように指導すると思います。
これは、呼気時には副交感神経が優位なり、筋が緩みストレッチ効果が高くなるからです。
しかし、ベースの呼吸状態に余裕がない場合や、認知機能にも問題があると、呼吸のタイミングを指示されても合わせられず、かえってストレスから交感神経が優位になり筋が緊張して硬くなり逆効果です。
コツとしては、同調は求めないけれど、「息は止めない」ことを指導します。
少しハードルを下げることで、多くの方は受け入れて実行してくれます。
効果のある方法を伝えていくことも大切ですが、対象の方の状況によって、対応を変えられる引き出しもあると良いと思います。


是非、活用してみてください。