日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.153 【同じ肺炎でも画像は異なる】間質性肺炎の画像所見

質問

肺炎で葉・区域に一致した浸潤影が認められるのは理解できたのですが、間質性肺炎の場合は、どのような画像の特徴があるのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

間質性肺炎は、肺胞の中が浸出液で満たされる通常の肺炎と異なり、肺胞の周囲に水が溜まります。
ミカンで例えるならば、通常の肺炎がミカンの実の部分が水浸しになるのに対し、間質性肺炎ではミカンの皮の部分が水浸しになります。
よって、間質性肺炎では、レントゲン画像は中心部が抜けたような、網の目状の影(網状影)や輪っこのような影(輪状影)が認められます。
ただし、網状影や輪状影が見えたからといって、間質性肺炎とは限らない、という点には注意が必要です。
例えば、肺気腫の方が肺炎を起こした場合は、肺胞が破壊されて空洞になった部分は抜けて見え、その周りには水が溜まるため、網状影や輪状影が見えることがあります。
ベースとなる病態をしっかり把握したうえで、画像を活用し、慎重に離床を進めてくださいね。

キナシ大林病院の児島先生の解説がとても面白いので、皆さんもご覧になってみてください。
http://www.obayashihp.or.jp/kakuka/pdf/kensi_series3.pdf

この情報が皆さんの臨床に役立つことを願っております。