日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.115 座位不可の状態で胸部レントゲン画像から胸水を判読するには?

質問

無気肺と胸水の判読ポイントについて質問です。安静臥床の患者様で座位でのレントゲン不可、CT撮影不可の場合、どのように判読すればよいのですか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

講座中に説明した側臥位正面像(デクビタスポジション)を活用します。絶対安静臥床でなければ左右の側臥位をとり、背面にフィルムを挿入し、真正面からレントゲンを照射します。胸水であれば重力によって下側部へ移動しますので、それぞれ側臥位をとった際の画像から判読可能となります。一方、無気肺の場合は、側臥位をとっても、即時的に下側部への貯留物移動は得られません。よってレントゲンの画像としては、変化することは少ないと思われます。絶対安静の場合は、レントゲンでは困難かもしれません。そのような場合は聴診を行い、深呼吸や自己咳嗽を促すことによって、肺音の変化を確認します。