日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【EBMとNBMの両輪を回そう】ファシリテーターからのつぶやき

ケアや介入のエビデンスが十分ないから不安…
そんな悩みに参考になるつぶやきを紹介します。

医療従事者として、EBM(Evidenced based medicine)を無視してはならないことは確かです。
しかし、EBMで全てが解決できるのでしょうか?
もともとADL全介助の方は?治せない病気の方は?「治せるか、治せないか」という二元論では、EBMがない=「治せない」となった場合、私たちは思考停止に陥り、何もできなくなります。

そこで、大切となるのが、NBM(Narrative based medicine)です。

NBMはすごく簡単に言ってしまえば、それは「疾患」ではなく「人間」を診ようという考え方です。
カルテ情報、検査データからだけでは見えてこない、患者さんとの「語り(Narrative)」の中からしか得られない情報、そこに現れる個別性にこそ、ケアや介入のヒントは転がっているように思えます。
誤解されがちですが、EBMとNBMは対立しあう概念でなく、車の両輪のようにお互いを補いあう概念です。
どちらに傾きすぎても、患者さんのニーズと大きく乖離したケア・アプローチになってしまいます。

私たち医療従事者は、EBMとNBMの両輪をうまく回し、患者さんと共に悩みながら歩んでいく存在なのだと思います。

文:離床推進ファシリテーター OT(作業療法)部会