日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【薬の影響を深ヨミ!】脳梗塞後の頭痛からなにを考えるか

脳卒中患者さんの離床に関するクイズです。

右中大脳動脈閉塞(脳梗塞)発症3日目、エダラボン、シロスタゾールによる内科的治療中。昨日より離床を開始していて、本日は車椅子座位を目標としています。

離床を行おうと患者さんのところへ行くと、頭痛の訴えがありました。

頭痛の原因はなにが考えられますか?あなたならそのまま離床しますか?

自信がない方は解説をチェック▼▼▼

〇解説
この患者さんの頭痛の原因はいくつか考えられますが、注意すべきは「脳浮腫」と「薬剤の影響」です。

まず「脳浮腫」については、発症3日目ということで、浮腫がピークの時期と予測されます。脳が腫れると、頭蓋内圧亢進から頭痛を生じます。頭蓋内圧亢進=離床禁忌ではありませんが、脳ヘルニアに進行する場合は立ち止まるべきです。

もう一つの「薬剤の影響」は、シロスタゾール(抗血小板薬)がポイントです。シロスタゾールは血管拡張作用があり、脳血管拡張により脳血流が増加することで、頭痛が起こることがあります。抗血小板薬には、アスピリンやクロピドグレルなど、他の薬剤もあるので、薬剤の変更をチームで相談することも必要となります。

脳卒中患者さんの離床の際に、頭痛は危険なサインの一つです。注意深くアセスメントを行い、離床をすすめるべきか検討しましょう。