日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【挿管チューブに手を持っていく患者さんへの対応は?】身体抑制に関するクイズ

解いて臨床力をアップする離床クイズの時間です!

今回は身体抑制に関するクイズ、是非、解いてみてください。

Q.
写真のように挿管チューブに手を持っていく患者さんを見かけました。

皆さんはどのように対応しますか?

1.身体抑制をする
2.患者さんの手をつかんで制止する
3.患者さんに口頭で注意をする

解答解説はこちら▼▼▼

A.
解答のような対応をする前に、なぜ、患者さんは写真のような危険行動に見える反応をしているのか、それをアセスメントすることが最も重要と考えます。

危険行動をみたときに、一番に考えることは「痛み」です。

痛みが強いと、人は痛みから逃れるために、あらゆる逃避行動を行います。

それが、挿管チューブによる痛みであれば、抜きたいと考えるのは当然です。

例えば、Numerical Rating Scale : NRSを用いた10段階の痛みアセスメントを行い、4を超える場合には、鎮痛が不十分と判断できるので、鎮痛コントロールが必要とわかります。

その場合には、やみくもに抑制や制止するのではなく、鎮痛が不十分であったことを伝え、コントロールすれば改善する可能性があること、チューブを抜くリスクを
しっかりと説明することが重要です。

危険行動を見ると、身体抑制を考えたくなりますが、その背景にある患者さんの苦痛をアセスメントすることが、抑制ゼロのケアに近づく一歩だと考えます。

※画像の被写体はモデルです。