日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【アナタはいくつ挙げられる!?】タンパク制限のメリット・デメリット

腎不全の患者さんの治療として、低タンパク食などタンパク制限が重要といわれています。

では、タンパク制限をするデメリットはなにが考えられますか?「低栄養」以外の影響を挙げてみてください。

A.
タンパク制限では、低タンパク状態となり、低アルブミン血症など低栄養の状態となることが考えられます。
これ以外の影響として、低タンパク状態で異化(タンパクを壊す反応)状態が有意になると、炎症性サイトカインなど炎症物質が多く発生するといわれています。炎症物質が増えると、更にタンパクを消耗するため、悪循環に入ってしまいます。

また、タンパク制限により糖代謝異常を起こし、エネルギー不足となることや、脂肪からエネルギー産生をすることで、ケトン体が増え、アシドーシスに傾くリスクがあります。

もちろん、腎不全患者さんへのタンパク制限は、腎臓への負担を減らし、透析導入までの期間を延ばす効果などが認められているので、悪いわけではありません。タンパク制限のメリット・デメリットを理解し、栄養状態・腎機能をトータルに把握して、離床レベルを検討することが重要と考えます。