日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【苦しいときには励ますのが一番!?】回復が停滞気味の患者さんへの関わり方

離床やケア・リハビリによって、改善が得られないと患者さんは焦って、イライラすることがあると思います。

今回はそのようなケースの相談を紹介します。

Q.
脳卒中後に回復期病院に入院されている患者さんがいました。
麻痺の回復など、目に見える成果が出ていない時期が続き、「どうせ家には帰れない」「リハビリしても無駄だ」など、ネガティブな訴えが出てきました。
どうように声をかければよいですか?

A.
うまくいかない時期は誰にでもありますが、その時期をサポートするのは難しいですよね。

ポイントは2点あって、「存在承認」と「支援の保障」だと思います。
目標に向かって、患者さんが一人で取り組むのはとても大変です。
「私は、あなたの目標の達成を目指すチームの一員です」や、「これだけのメンバーが、あなたの回復に関わっています」ということを示すことで、一人ではなくチームに「所属」している「存在承認」につながります。

存在承認によって、辛い気持ちを一人で抱えこんでいる状況よりも、気持ちが軽くなったというケースが多いです。

もう一つの「支援の保障」とは、私は、あなたの困難をお手伝いすることを約束することです。
その上で、「私が手伝うことで、どんな風に役立つか?」ということを聴いてみてください。
これを聴くことで、患者さん自身が、自分の困難や課題を客観的に見つめることにつながり、現状に対策を打つためにどうすべきか、考えるきっかけになると思います。

回復に行き詰まる方がいたら、「存在承認」と「支援の保障」を実践してみてください。