日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【答えのない訴えをどう聞く?】コミュニケーションに関するQ&A

今回は、臨床で患者さんからの訴えに対して、どのように応えればよいか?と悩む相談です。

Q.
がんの終末期の患者さんから、「死んだらどうなるのだろう」「あと2年でいいから生きたい」と言われ、返答に困りました。

皆さんはどのように応えますか?是非、考えてみてください。

A.
「死んだらどうなるのだろう」「あと2年でいいから生きたい」などの訴えは、スピリチュアルペイン(霊的苦痛)といわれ、これに対する答えとして、明確な正解はないと考えます。

スピリチュアルペインは、患者さんが言葉に出して表現するとは多くないとされ、自分の中にしまっている想いを言えます。

そのため、今回のケースのように、患者さんが医療者に訴えたということは、信頼関係が築けているからだと思います。

患者さんも答えを求めているのではなく、辛さを共感して欲しい、聞いて欲しい、吐き出したいという想いなのだと感じます。

「うん、うん」と傾聴するだけでも、患者さんにとってはよいのかもしれません。

また、医療者も1人で抱え込まず、緩和ケアチームなど多職種でスピリチュアルペインを共有することで、傾聴する気持ちに余裕が生まれると思います。